古い歴史の中でも、「菌類」と人々の暮らしは、寄り添うようなキョリで生活を共に送っていたようです。西洋では、チーズを作る歴史を語る上で、「菌類」の存在は外す事ができません。日本文化の歴史上では、鎌倉時代に、「麹(こうじ)」を作る職人の集団が、既にいたというような記録が残されているようです。味噌や醤油づくりに欠かす事のできない「麹菌」の存在は、現代の私達の暮らしを大変豊かなものにしてくれています。中国では、2400年ほど前から食材として「冬虫夏草」と呼ばれる、漢方が人々の暮らしの中で、知られていたようです。「冬虫夏草」は、「菌類」である、「きのこ」の一種であり、昆虫や菌類を宿主として、成長し子孫を増やす不思議な「菌類」なのだそうです。人間の暮らしは、「菌類」をはじめとする、様々な生物の存在に守られ、支えられているようです。「菌類」は、顕微鏡などでないと、なかなか人々が目にする事はできないのですが、古来の人々は、しっかりとその目には見えない存在に気づき、共に生命を支え合ってきたという生命の成り立ちを支え合ってきました。現代においても「菌類」は、地球上のあらゆる環境に対応しなしながら生き永らえています。目に見えるものばかりにとらわれがちな、私達現代人に、何か大切なメッセージを送ってくれているような気がしてなりません。